本書を買えばこのレシピの細かいことまでロジカルに分かりやすく説明してくれているので、もっと深くコーヒーを学びたいという方には自信を持っておすすめできる書籍
初心者の方にはこちらもおすすめ
②お湯の重さ
③抽出時間
④温度
⑤蒸らし
⑥注ぎ方
- 井崎英典とは?
- 究極のレシピを解説
- 井崎氏のテクニックを再現するために必要な道具
- 世界一美味しいコーヒーを淹れる6つのポイント
- 世界一美味しいコーヒーを淹れる手順
- ①豆(もしくは粉)を計る(100gのお湯に対して6~8g)
- ②ハリオV60(ドリッパー)にペーパーをセット
- ③お湯を沸かす
- ④ペーパーフィルターを湯通しする(ペーパーリンス)
- ⑤コーヒー粉をドリッパーに入れる。※このあたりでお湯が92度になる
- ⑥ドリッパーとその下にサーバーもしくはコップをセットした状態でデジタルスケールに乗せて、重さを0にリセット
- ⑦1投目開始(0:00~0:15)
- ⑧注湯後にドリッパーとサーバー(orコップ)を持って3回反時計回りに揺らす(0:15~)
- ⑨2投目開始(1:00~1:15)
- ⑩3投目開始(2:00~2:30)
- ⑪再度、⑧と同様に反時計回りに3回程揺らす(2:40)
- ⑫落ち切ったらサーバー(orコップ)内を撹拌して終了(3:00~4:00)
- お湯はペーパーに掛けない方がいいは間違い
- ドリッパーを揺らす意味
- 酸味が強い時の対処法
- 井崎英典氏がおすすめするコーヒーグッズ
- ジェームズ・ホフマン氏の究極のドリップテクニック
井崎英典とは?
福岡でハニー珈琲を経営する父を持つ
引用:ハニー珈琲
小さなころからコーヒーに触れていた彼がコーヒー業界を盛り上げてくれるようになったのは必然のような気もしている。彼の話す言葉からもビジネスセンスがあることは間違いなく、その理由はとにかくロジカルに考えていて、発言や行動に根拠があるところは非常に信頼感がある。
私も彼のテクニックに出会ってドリップコーヒーの技術、コツや考え方のステージが間違いなく上がった。
ジャパンバリスタチャンピオンシップ2012年・2013年を連覇
井崎氏は、17歳の時にJBC(ジャパンバリスタチャンピオンシップ)に初出場、翌年には決勝進出、2012年に史上最年少でJBCを制し、2013年連覇。同年のWBC(ワールドバリスタチャンピオンシップ)では13位で予選敗退。
ワールドバリスタチャンピオンシップ2014年の覇者
2013年の予選敗退から1年後、日本人として初、さらにアジア人として初となる、第15代ワールドバリスタチャンピオンになる。
井崎バリスタはコスタリカにあるナヴァロ氏がプロセスした二種類の豆「レッドカトゥーラ種」と「ティピカ種」で、優勝をした。タラス地区にあるナヴァロ氏のマイクロミル(小さなコーヒー精製所)は標高1,800~1,900メートルにあり、コスタリカの中で最も標高の高い場所にある。
進歩的なマイクロミルとして有名であり、「アルコン」や「ラ・バンデラ・カイエ・コペイ」や「カスカーダ」、「エンシーノ」など多くの農園のコーヒーチェリーをプロセスし、ハニープロセスなどの最先端の処理方法を導入している。この年、ワールドバリスタチャンピオンに輝いた井崎氏はハニープロセスとナチュラルプロセスで処理された豆を大会で披露した。
ちなみにエスプレッソではハニープロセスのティピカ種のコーヒーを使用し、カプチーノコースにはナチュラルのレッドカトゥーラ種を使ったようです。
究極のレシピを解説
すごくわかりやすいのはこの動画。どこの動画でも同じように説明していますが、こちらがアングルなどもわかりやすく内容も凝縮しているのでおすすめ。ほかの動画はアングルが悪く、見たいところが見れないなど、レシピを完全理解するにはおすすめできない。
井崎氏のテクニックを再現するために必要な道具
1.ハリオV60(ORIGAMIやコーノでも可)
カリタ式(お湯の出口が3つ)やメリタ式(お湯の出口が1つ)では、別の方法で淹れる必要あり
2.ペーパーフィルター
ハリオのペーパー(円錐型のペーパー)、カリタウェーブシリーズのペーパー。おすすめのペーパーはハリオ専用のペーパーも作っている三洋産業のアバカフィルター。お湯の抜けがハリオより良くより自由度の高いコーヒーが淹れられるため、初心者からプロまで使う優れもの
3.デジタルスケール(タイマーも)※スマホのタイマー&タニタのスケールでも可
再現性を高めるために必要かつ100倍コーヒーを楽しくするもの
4.ケトル
電気ケトルで細口のものが一番おすすめ。細口ケトルをそのまま沸騰させて使うのもいい。
5.コーヒー豆
クオリティの高い豆を使用すること=スペシャルティコーヒーで淹れることが前提=品質の悪い豆はひどいコーヒーができるので、良いコーヒーを使うことお勧めします。
6.軟水
市販されているペットボトルの水が好ましいが水道水を沸騰させてもOK。コーヒーの98%は水だから水にこだわってほしい。
上記に加えて、井崎氏が重要なポイントに挙げているのがコーヒー豆で買うこと。
グラインダー(電動で豆を挽く機械)を用意することをおすすめする。
「お店で挽いてもらうのではなく、飲む直前に自分でコーヒー豆を挽いてもらいたい。それが最高のコーヒーを淹れることに必要なこと」と2007年にワールドバリスタチャンピオンに輝いたジェームズ・ホフマン氏もそう話している
世界一美味しいコーヒーを淹れる6つのポイント
冒頭で話した6つのポイントを手順を追いながら説明していきます
①豆の重さ
豆の重さとは豆(豆を挽いた状態であれば粉)を毎回計ること。豆は焙煎度によって重さが変わるため、豆の量で判断をするとコーヒーの濃さが変わってしまう。
コクやスッキリ感などの味わいを一定にする=失敗をなくすにはどのくらいの重さで抽出をするかが非常に大事になる。使う量についてはお湯100gあたり豆6g~8g。
スッキリした味わいが好きな人は6g。コク深い味わいが好きな人は8gといった具合なので、好みや気分によって豆の量を変化させるといい
②お湯の重さ
お湯の重さとは使うお湯の量を一定にすること。井崎氏のレシピはお湯を落とし切る方法なので、お湯の量が一定でないと味わいが大きく変化してしまう。
使う量については豆6g~8gあたりお湯が100gなので、例えば100gあたり7gで計算すると14gの豆を使う場合はお湯が200g。21gの豆を使う場合は300g。
バリスタの方がよく使っている比率でいうと豆とお湯の比率は1:15~16.66の間でレシピを組む。豆1:お湯15で計算すると10gの豆を使う場合、150gのお湯を使う。と言った感じ。全部落とし切りが前提なので、非常に計算もしやすいし、わかりやすい。
③抽出時間
厳密にはコーヒー豆とお湯が触れている時間。淹れ始めから3分から4分を目安に落とし切ることが必須条件として語られている。その理由は蒸らしが1分であることとそれ以上は過抽出(雑味と渋みが出る)になるし、それ以下は未抽出(コーヒーの良さが出ない薄い味わい)なることが多い。
3分から4分を超える場合は、豆の挽き目を少し粗く。3分から4分を切る場合は豆の挽き目を細かくすると時間調整ができる。
④温度
コーヒーは温度変化によって大きく味わいが変わります。コーヒーの関連の動画を見ている人なら一回は見たことあると思うけど、コーヒー豆が入っていない状態で、ドリッパーにお湯を入れているシーン。ペーパーリンスと言われていて、その効果は2つある。①紙の匂いを取る②器具を温める
昔はペーパーフィルターに強く匂いが残っていたため、リンス(湯通し)をして、匂いを取っていたが、今はリンスしない人も増えている。しかし、②の意味合いでリンスをしている人が多い。実際に井崎さんも器具を温めることが重要とおっしゃっていて、微々たる差が評価をひっくり返すWBCのような大会では舌の肥えた審査員に提供するため、器具が温まっているかどうかは美味しいコーヒーを淹れるにあたっては大事な要素。
そして、注湯する際の湯温も重要で、本書では好みの味わいによって88度から96度の間で淹れるレシピをいくつか紹介しているが、基本の温度を92度と設定している。
⑤蒸らし
蒸らしとは初回の注湯の後に必ず行う待ち時間のこと。井崎式メソッドでは蒸らし時間を「1分」としている。後述するが、ご紹介するメソッドはわずか3回しか注がない方法なので、注ぎ方を間違えるとただの薄いコーヒーになる。
効率よく抽出をするには蒸らし時間を増やし、2投目、3投目で効率よくコーヒーの成分を溶解する必要がある。コーヒー豆の成分はわずか
3割しか溶け出さないこと、コーヒーの成分の98%~99%水であることを考え、効率よく効果的に抽出するために、一般的に言われている蒸らし時間を30秒ほど長い1分確保している。
⑥注ぎ方
お湯の注ぎ方は3回に分けて注湯する。細かい点については、手順にて説明するので、ここではザッと全体像を把握してもらえればOK。
1投目は蒸らしのフェーズで全体湯量の20%、300gのお湯で行う場合は60gのお湯を1投目で使う。
2投目は、本抽出のフェーズで同じく全体湯量の20%を注湯する。
3投目は残りの60%を注湯する。
さて、ここまでは基本の流れと考え方をお伝えしたが、本書ではもっと細かく書かれており、ドリップコーヒーの深い部分を勉強したい人には書籍の購入をおすすめします。
世界一美味しいコーヒーを淹れる手順
前提条件
コーヒー豆(中煎り):21g
お湯:300g
ドリッパー:ハリオV60
ペーパー:円錐フィルター
湯温:92度
※スーパーに売っているコーヒーの粉(インスタントではないモノ)でも缶コーヒーの数倍美味しくできます。
①豆(もしくは粉)を計る(100gのお湯に対して6~8g)
全体湯量の10%~15%がコーヒー豆に吸われるため、300gのお湯を使うと270g前後のコーヒーが淹れられます。
同時にグラインダーで豆を挽く
↓
②ハリオV60(ドリッパー)にペーパーをセット
↓
③お湯を沸かす
ケトルの下に細かい気泡ビッシリ詰まって、大きな泡がボコボコと出始めたあたりが95度なので、そのあたりで止める
もはやそこまで厳密じゃなくても大丈夫です(笑)
↓
④ペーパーフィルターを湯通しする(ペーパーリンス)
※お湯を捨てるの忘れない
↓
⑤コーヒー粉をドリッパーに入れる。※このあたりでお湯が92度になる
↓
⑥ドリッパーとその下にサーバーもしくはコップをセットした状態でデジタルスケールに乗せて、重さを0にリセット
↓
⑦1投目開始(0:00~0:15)
お湯60gを真ん中から円を描きながら壁までかける
15秒程で注ぎ終わる
↓
⑧注湯後にドリッパーとサーバー(orコップ)を持って3回反時計回りに揺らす(0:15~)
均等にお湯と豆が触れ合うようにするため
↓
40秒程の待ち時間
↓
⑨2投目開始(1:00~1:15)
┗お湯60gを真ん中から円を描きながら壁までかける(壁についた粉を落とす)
┗15秒程で注ぎ終える
↓
45秒前後の待ち時間
↓
⑩3投目開始(2:00~2:30)
お湯180gを真ん中から円を描きながら壁までかける。2投目より少しだけ早いペースで
30秒程で注ぎ終える
↓
10秒~15秒
↓
⑪再度、⑧と同様に反時計回りに3回程揺らす(2:40)
↓20秒から1分15秒程の待ち時間
⑫落ち切ったらサーバー(orコップ)内を撹拌して終了(3:00~4:00)
上記に出てきたびっくりされた行動をいくつか紹介します。
お湯はペーパーに掛けない方がいいは間違い
多くのコーヒーセミナーではドリッパーの壁にお湯をかけるとそのままお湯がサーバーに落ちるからよくないと言っていますが、それは間違いです。実は壁にかけ続けるとどうなるかをテストした方がいます。
それは…
ハリオV60 で世界一美味しいを淹れるアルティメットテクニックを2019年に発表して話題を呼んでいる、2007年のワールドバリスタチャンピオンのジェームズ・ホフマン氏
ドリッパーを回しながら壁にお湯をかけ続けて抽出をするテストした結果は…
1.抽出量はいつもよりわずかに増えるだけだった
お湯のまま落ちていくという理論はほとんど間違いで、コーヒーを通らずにお湯のまま落ちるのはわずかだと証明している
2.(※1)ドローダウンの時間が一番長かった
目詰まり起こしてることがこの結果からわかる
※1:最後の抽出から落ち切るまでの時間
3.コーヒーベッドは崩れない
4.味わいは最悪
結果、壁にお湯をかけ続けて入れることはおすすめできないのだが、お湯がコーヒー豆と触れ合う間もなくすべてがフィルターを抜けていくという通説は完全に崩れているので、ジェームズ・ホフマン氏も井崎氏も注湯の際に壁までかけることを勧めている。
ドリッパーを揺らす意味
井崎式メソッドは今や多くの人が実践しているので、揺らすことも普通になりつつある気もしますが、1投目と3投目にドリッパーをゆらすなんて聞いたことないという方も多いだろう。
コーヒースタンドやカフェでドリップコーヒーを頼んだことがあり、ドリップの様子を見たことある方なら1投目を淹れた後にスプーンで撹拌しているバリスタを見たことないだろうか。あれもまさに同じ意味合いでやっている。
じゃあ、スプーンでやればいいじゃないかと思うが、先に紹介したジェームズ・ホフマン氏はコーヒーYoutuberとしても有名で、そのテストもしていて、スプーンとドリッパーを揺らすのでは揺らす方が格段に美味しかったと述べている。
おそらく、初心者やプロではない我々にはわからないかすかな味の変化だろうけど…私は揺らす。
酸味が強い時の対処法
酸味が強い時は抽出方法を変えるのではなく、豆の挽き目を細かくしていくのがおすすめ。少しずつ細かくして、苦味と渋みが出るところまで抽出を繰り返し、出たら少し粗くすることで、最善の抽出ができます。
またお湯の温度を100度に設定することで、抽出効率が上がるため、苦味成分が多く溶け出します。
井崎英典氏がおすすめするコーヒーグッズ
電動グラインダー/電動コーヒーミル
みるっこ コーヒーミル R-220 (富士珈琲)
井崎氏をはじめ有名なバリスタやコーヒー系の動画やブログでもよく紹介される 家庭用にも業務用にも使える電動グラインダーのひとつ。
メーカー名: 富士珈機・フジローヤル
型式: DX R-220型
サイズ: W130×D240×H362(mm)
重さ・粉砕能力: 4.6kg・400g(毎分)
ホッパー容量: 250g
電源・Hz: AC100V・50Hz/60Hz 日本各地で使用可能です
定格消費電力: 130W
NEXT-G(カリタ)
井崎氏の動画内でも使用されている電動グラインダーがこちら。他社が作る動画でこちらを使うということはそれなりに信頼を置いている機種と推測できます。
井崎氏の著書でも紹介されており、家庭用の電動グラインダーで最高峰と称賛しています。
■サイズ(約):
┗ 本体/123×215×401mm
┗化粧箱/276×190×130mm
■重量(約):3.2kg
■電源:100V 50/60Hz
■消費電力:60W
■定格時間:5分
■ホッパー容量:60g
■受缶容量:60g
■カラー・デザイン:ホワイト
■ブランド名:Kalita(カリタ)
Encore Conical Burr Coffee Grinder (Baratza/バラッツァ)
バラッツァはアメリカのシアトルに本拠地を置く、スペシャルティコーヒー専門のグラインダーメーカー。ウィルファのスヴァートと性能が似ていて、粗挽きからエスプレッソまで幅広く対応できる万能な機種。
■ブランド: Baratza/パラッツァ
■商品重量: 3.1 キログラム
■商品寸法 :(長さx幅x高さ) 16cm x 11.9cm x 35.1 cm
■ワット数:(W) 220 W
■容量 :5オンス(約140g )
Svart Aroma/スヴァート アロマ (wilfa/ウィルファ)
こちらの機種も他の機種同様で、家庭用ではこの一台があれば十分と評価するバリスタが多いです。ノルウェーのメーカーでバリスタチャンピオンが監修しているだけあって、性能は抜群にいいです。
■ブランド:wilfa/ウィルファ
■サイズ:(約)幅17.2×奥行12.6×高さ28.5cm
■コード長:(約)80cm
■重さ:約1.9kg 【電圧】100V 【周波数】50/60Hz
■消費電力:130W
■定格時間:30秒
■回転数:500-650rpm
■最大容量:約250g
ハンドミル(手挽きミル)
Comandante/コマンダンテC40
上記の電動グラインダーより高額ですが、バリスタの世界大会でも使われるほどの性能を持っている、非常に評価の高い手挽きミル。
コーヒーミル(PORLEX)
こちらも様々な媒体で紹介されるコーヒーミル。井崎氏もアウトドアに向いていて、性能やお手入れもよく、お値段以上の働きをしてくれるでしょう。
HG-1(Lyn Weber)
現在は販売をしていないようですが、こちらもおすすめされています。数十万円のグランインダーに使用されているような刃を使用しているため、業務用クラスの性能があり、デザイン性も高い。
引用:公式サイト
ジェームズ・ホフマン氏の究極のドリップテクニック