- 畠山大輝氏の経歴
- World Brewers Cup2021 in Milanにて準優勝
- 世界を驚かせた畠山氏のハンドドリップレシピ
- KRUVEで粉の粒度を均一にする
- ブリューレシオ(抽出比率)は1:13
- 90度と60度のお湯を使用する
- 世界大会で使われた豆は「ブレンド」
- ジャパンブリュワーズカップ(JBrC)2019で優勝したドリップレシピ
- ジャパン ハンドドリップ チャンピオンシップ (JHDC) 2019で優勝したドリップ
- ジャパン ブリュワーズカップ (JBrC) 2022で淳優勝したドリップレシピ
- YouTubeで提唱しているドリップレシピ
- ワールド(ジャパン)ブリュワーズカップで使われた器具一覧
- 畠山大輝のYouTubeチャンネル
畠山大輝氏の経歴
初めての競技会でトリプル入賞
日本史上初の2冠達成
World Brewers Cup2021 in Milanにて準優勝
世界を驚かせた畠山氏のハンドドリップレシピ
様々な動画やブログで畠山氏のドリップレシピを見かけますが、2021年に世界で最も評価されたオープンサービスのレシピを解説しているサイトは見かけないので、解説します。
畠山氏がワールドブリュワーズカップ(WBrC)で披露したハンドドリップのレシピは、実際に家で淹れるには少し面倒な工程がある事は事実です。
ここでは、ドリップレシピのみを紹介しますので、細かい解説や使っている器具の詳細は後述します。
ポストコーヒーは、毎月3種類の特徴が異なるスペシャルティコーヒーの豆(粉)が届きます。
届いた豆を評価していくことで、自分好みのコーヒーを教えてくれます。 コーヒー診断をして、好みの味を確かめてみてください。
準備されていたもの
①豆:20g (粗挽き)
┗⑧のKRUVEで500um以下の微粉を予め除去
②お湯:260g 湯温は90度と60度の2つを用意
┗畠山氏の使用ケトルは「Brewista」の白と黒
③コーヒースケール(Time more)
④フラワードリッパー(三洋産業)
⑤アバカ コーヒーフィルター(円錐)
⑥グラインダー(みるっこ)
⑦コーヒーサーバー
⑧KRUVE
実際のドリップレシピ
豆を中粗挽きに挽いて、KRUVEにて500um以下の微粉を除去して、20gの粉を用意し、ペーパーに内にセットしておく。
—-※—-1投目~3投目は90度のお湯を注ぐ—-※—-
1投目:0秒~
豆の倍量(20g×2)のお湯を粉全体に行き渡るように注ぐ
※蒸らし
2投目:40秒~
全湯量の50%になるまで(~130g)円を描きながらお湯を注ぐ
—-※—-ここから60度のお湯を使用—-※—-
3投目:1分15秒~
全湯量の70%になるまで(~182g)円を描きながらお湯を注ぐ
※壁についた粉も落として全ての粉から成分を抽出
4投目:1分50秒~
残りの湯量を2等分(78g÷2)し、半分を同じように注ぐ
5投目:2分20秒~
残りのお湯(39g)を同じように注ぐ。
抽出完了:~3分
-ターゲットタイムは3分と設定されていて、3分である程度落ち切るように挽き目などを調整する必要があります。
KRUVEで粉の粒度を均一にする
KRUVE(クルーべ)は挽いた豆に必ず残る微粉を取り除くものです。
小麦粉をふるいにかける作業と同様の作業をKRUVEで行うことで、抽出するフレーバーを均一にする狙いがあります。
畠山氏をはじめ、ジャパンブリュワーズカップ2022で優勝された小野氏も競技会で使用されています。
世界大会でも良く出て来ており、プロから絶大な信頼を得ているコーヒー用のふるいです。
フィルターの数が多いほど、価格が上がっていき、値段の振れ幅は大きい商品なので、注意が必要です。
ブリューレシオ(抽出比率)は1:13
畠山氏のブリューレシオ(豆:お湯)は、一般的には濃い目の比率で抽出を行います。
コーチを務めていた、2016年の世界チャンピオンの粕谷氏も「このブリューレシオは濃い目だよね」とおっしゃってます。
よくつかわれるのは、「1:15」~「1:16.66」の抽出比率ですが、この比率で淹れると畠山氏の考える最高のコーヒーは淹れられなかったんだと思います。
90度と60度のお湯を使用する
畠山氏のドリップレシピの特徴の一つでもある2種類のお湯を使い分けを解説します。
1投目~3投目:90度のお湯
┗フレーバーや甘さ、酸味などのコーヒーの核を担う部分をここで抽出する
4投目、5投目:60度のお湯
┗4、5投目を60度で淹れる理由は、コーヒーの嫌な要素である、雑味、渋みを抽出を抑えつつ、抽出時間を長く取る
世界大会で使っていたケトルとはこちら
世界大会で使われた豆は「ブレンド」
シングルオリジンが多い中、ブレンドで勝負
ほとんどの競技者がシングルオリジンで臨んでいる中で畠山氏はブレンドで勝負をしていて、世界大会で見事に最高得点を取っています。
①コロンビア産のミカバゲイシャ(6)
②ボリビア産のタケシゲイシャ(4)
ブレンドのこだわり①新しいフレーバーの創出
上記の2種類の豆を6:4の割合でブレンドしていて、なぜシングルオリジンではなく、ブレンドなのか。
それは、ブレンドすることによって生まれる新しいフレーバーである「プラム」を生み出すためだそうです。
ブレンドのこだわり②ブレンドなのにシングルオリジン?
畠山氏はプレゼンテーションで、こう話しています。
豆はブレンドしているが、シングルオリジンのような味わいになるようにブレンドしている
鳥肌ものです。
ブレンドなのにシングルオリジンのような味わいになるように焙煎しているんです。世界大会の審査員もうなる焙煎と抽出であったことは得点が物語っています。
粕谷氏も「このコーヒーはめちゃくちゃうまい」と絶賛しています。
ブレンドのこだわり③同じ抽出効率になるように焙煎
ブレンドをシングルオリジンに仕上げるためにこだわったのは、抽出効率だそうです。
抽出効率が違う豆を使うとフレーバーの出方が異なるので、出したい味が出せなくなる(抽出しすぎて雑味が入る豆とフレーバーを抽出しきれてない豆)。だから、同じ抽出効率になるように焙煎をして、ブレンドされています。
奧が深すぎて驚きが私から飛び出して散歩してしまうほど。
ジャパンブリュワーズカップ(JBrC)2019で優勝したドリップレシピ
ワールドブリュワーズカップとは異なる点
① 微粉をの含有量
世界大会:500um以下の微粉を取り除く
日本大会:600um以下の微粉を取り除く
日本大会はより多く微粉を取り除いていることがわかります。
②抽出レシピ:1投目を終えた後の蒸らしの時間
世界大会:40秒
日本大会:35秒
世界大会の方がより多く蒸らしを淹れて、フレーバーをより引き出しているようです。
③抽出レシピ:ブリューレシオ(抽出比率)
世界大会:豆20g:お湯260g 1:13
日本大会:豆20g:お湯270g 1:13.5
世界大会の方が、お湯が少なくより濃い目に抽出できるようにしています。
④ブレンドされたコーヒー豆
世界大会:ミカバゲイシャ(コロンビア)とタケシゲイシャ(ボリビア)を4:6でブレンド
日本大会:ラ・レフォルマ&アネクソスゲイシャ(グアテマラ)とタケシゲイシャ(ボリビア)を4:6でブレンド
世界大会ではコロンビアのゲイシャに代わっていて、フレーバーも少し変わっています。
⑤ドリッパー
世界大会:フラワードリッパー(三洋産業)
日本大会:V60(ハリオ)
コロナがなかった場合、翌年に行われる世界大会ではV60使われていたかもしれませんし、ブレンドの豆も異なっていたかもしれません。
個人的には、日本大会との違いを見て、畠山氏にとっては空白の一年はプラスに働いたのではないかなと思っています。
ポストコーヒーは、毎月3種類の特徴が異なるスペシャルティコーヒーの豆(粉)が届きます。
届いた豆を評価していくことで、自分好みのコーヒーを教えてくれます。 コーヒー診断をして、好みの味を確かめてみてください。
ジャパン ハンドドリップ チャンピオンシップ (JHDC) 2019で優勝したドリップ
ワールドブリュワーズカップと異なる点がいくつかあります。またジャパンブリュワーズカップとも少し異なる点があり、非常に興味深いドリップレシピです。
① 微粉をの含有量
世界大会:500um以下の微粉を取り除く
ハンドドリップ大会:600um以下の微粉を取り除く
日本大会はより多く微粉を取り除いていることがわかります。
②抽出レシピ:1投目を終えた後の蒸らしの時間
世界大会:40秒
ハンドドリップ大会:30秒
世界大会の方がより多く蒸らしを淹れて、フレーバーをより引き出しているようです。
③抽出レシピ:2投目の湯量
世界大会:全体の湯量の50%まで
ハンドドリップ大会:全体の湯量の60%まで
世界大会の方がより多く蒸らしを淹れて、湯量も少ないため、よりフレーバーを引き出しています。
④抽出レシピ:ブリューレシオ(抽出比率)
世界大会:豆20g:お湯260g 1:13
ハンドドリップ大会:豆20g:お湯270g 1:12.4 or 11.6
ハンドドリップの大会はブリュワーズカップより、お湯が少なくより濃い目に抽出されています。
⑤コーヒー豆
世界大会:ミカバゲイシャ(コロンビア)とタケシゲイシャ(ボリビア)を4:6でブレンド
ハンドドリップ大会:グアテマラ エインヘルト農園 カトゥアイ&ブルボン
ハンドドリップの競技では、シングルオリジンを使っています。
ジャパン ブリュワーズカップ (JBrC) 2022で淳優勝したドリップレシピ
畠山氏は2022年の最新の日本大会にも出場されていて、惜しくも準優勝で終わっています。
その時のドリップレシピは、ワールドブリュワーズカップの日本語版と言ってもいいので、是非こちらも参考にしてみてください。
この年に優勝されたのは、粕谷氏の会社「株式会社コーヒーのあるのところ」でバリスタとして活躍されており、2019年のジャパンブリュワーズカップ準優勝(畠山氏が2冠に輝いた年)している、小野氏で雪辱を果たした形になりました。
YouTubeで提唱しているドリップレシピ
Youtubeで推奨されているものはおうちコーヒー用に簡単になっていて、誰でも淹れやすいレシピなので、初心者の方でも簡単にできるドリップレシピです。
準備
豆:15g 粗挽き(グラニュー糖より少し大きい程度)
お湯:230g
お湯の温度:85度
お湯の注ぎ方
?投目:経過時間 ー お湯を注いだ量
2投目:30秒 ー 120g (ここまでで全湯量の50%)
3投目:1分 ー 150g(ここまでで全湯量の65%)
4投目:1分20秒 ー 190g(残りの湯量を2分割して半分を注湯)
5投目:1分40秒 ー 230g(残りの湯量を注湯)
ワールド(ジャパン)ブリュワーズカップで使われた器具一覧
ドリッパー
ワールドブリュワーズカップや日本のハンドドリップチャンピオンシップで使っていたのは、三洋産業のフラワードリッパー。
ジャパンブリュワーズカップで使われていたのは、ハリオのV60
深いリブからガスやお湯が抜けて、ハリオのV60よりお湯抜けが良いと話題です。
フラワードリッパー(AS樹脂:プラスチック) 2~4杯用
ハリオ V60 1~2杯用
ハリオ V60 2~4杯用
セット
ペーパーフィルター
ハリオのペーパーフィルターよりお湯抜けが良い、アバカコーヒーフィルターを好んで使っていらっしゃいます。
競技会では、クリーンカップが評価を受けるので、お湯抜けの良さをうまく活用して、スッキリとした透明感のあるコーヒーに仕上げる必要があります。
アバカフィルター1杯用
アバカフィルター2~4杯用
コーヒー用のふるい
電気ケトル
コーヒーサーバー
ポストコーヒーは、毎月3種類の特徴が異なるスペシャルティコーヒーの豆(粉)が届きます。
届いた豆を評価していくことで、自分好みのコーヒーを教えてくれます。 コーヒー診断をして、好みの味を確かめてみてください。
畠山大輝のYouTubeチャンネル
畠山氏は2020年からYoutubeでの発信もしておりますので、アットホームなチャンネルなので是非くつろぎながら見てみてください。